2.5G/5G マルチギガビット・イーサーネットへの道
前回、2.5G/5G マルチギガビット・イーサーネットを記事にてご紹介させていただきましたが、実際にどれくらい早くなるのか、比較的安価な設備で環境を構築してテストしてみました。
テスト環境
マルチギガビット・イーサーネット(2.5GbE)環境で、サーバー・クライアントでのデータ送受信テストを行いました。
クライアント機には、macOS環境 (Mac mini 2018, SSD, OS:Ventura)、Windows環境 ( Core i7 , SSD, OS:Windows10) を使用しました。それぞれネットワークは、複数のイーサーネットアダプターを接続。LANケーブルは、Cat(カテゴリ)6Aを使用しています。
テスト環境 機材
Server
Serverには、2.5GbEが標準搭載されている ASUSTORの2ベイNASをセレクトしました。
2.5GbE搭載NASでは、もっとも安価なモデルとなります。
2台のHDDでRAID1を構築した場合とSSDで構築した場合それぞれでテストしてみました。
ASUSTOR 2.5GbE高速ポート搭載 2ベイ NASキット
AS1102T Drivestor 2
- CPU:Realtek RTD1296 4-Core 1.4GHz
- メモリ:1GB DDR4(拡張不可)
- HDD:SATA3 6Gb/s; 3.5" HDD x2
- USB:USB 3.2 Gen 1 x2
- LANポート:2.5GbE x1(2.5G/1G/100M対応)
- 内部ディスク:EXT4
- 外部ディスク:FAT32, NTFS, EXT3, EXT4, HFS+, exFAT
ネットワークHUB
HUBは弊社所有のkeepLiNKの2.5Gbps対応8ポートスイッチングハブ
10GbEのSFPが1ポートありますので、数台をつなげて使用することも可能です。
keepLiNK 8ポート 2.5Gbps スイッチングハブ
8 Port 2.5G Switch
- 全ポート 2.5Gbps対応
- 10GbE SFP+ポート1基搭載
- ファンレス 静音
- 壁掛け可能
イーサーネットアダプタ
イーサーネットアダプタも弊社所有の2.5Gbps USBアダプタの3種類を使用しました。
※ちなみに、イーサーネットアダプタのメーカーによる差異はほとんどみられませんでした。
イーサーネットアダプタ(1)
Plugable 2.5Gbps USB イーサネットアダプター
USBC-E2500
- TypeAtoC変換コネクタ付属
- IEEE802.3bz準拠(2.5GBASE-T)
- REALTEK RTL8156搭載
イーサーネットアダプタ(2)
GGbE
NWU331GCA
- TypeAtoC変換コネクタ付属
- IEEE802.3bz準拠(2.5GBASE-T)
- REALTEK RTL8156G搭載
WAVLINKのLANアダプタは、めちゃ安いので試しやすいですね !!
イーサーネットアダプタ(3)
Planex 2.5Gbps USB イーサネットアダプター Type-A
USB-LAN2500R2
- IEEE802.3bz準拠(2.5GBASE-T)
- REALTEK RTL8156BG搭載
※8156BGになり低発熱、低消費電を実現
ベンチマーク結果
ローカルおよびネットワーク上のハードディスク、SSDなどのストレージのデータ転送速度を手軽に測定できるソフトウェアCrystalDiskMark(Windows)、AmotphousDiskMark (Mac)を使用して、それぞれ計測してみました。
ちなみにASUSTOR AS1102TはTRIMコマンド未対応のようでした(涙)
Server側の設定としてはMTUは1500~4000(あまり効果なし)、プロトコルはSMB3、とあまりさわっていません。
2.5 GbE HUB使用時
ASUSTOR AS1102T をServerとして、Windows 10から計測
4TB SSD Single Drive
4TB HDD RAID1 構成
2.5 GbE対応のHUBでは、SSDを使用するとかなり高速になりました。
ギガビット HUB使用時
ASUSTOR AS1102T をServerとして、Windows 10から計測
4TB SSD Single Drive
4TB HDD RAID1 構成
ギガビットHUBでは、SSDとHDDにあまり差が出ませんでした。
Mac mini (2018) をServerとして、MacBook Air M2から計測
2.5 GbE HUB使用時
ギガビット HUB使用時
Mac同士では、2.5 GbEで倍以上の速度が出ていますねー !!
実測結果
ASUSTOR AS1102T とWindowsPC / Mac mini (2018)
ASUSTOR AS1102T をServerとして、Mac mini (2018)から計測
※3回計測、平均値を記載、コンマ秒は四捨五入
4TB SSD Single Drive | 4TB HDD RAID1 構成 | ||
2.5 GbE HUB使用時 | UP LOAD | 20 秒 | 38 秒 |
DOWN LOAD | 23 秒 | 42 秒 | |
ギガビット HUB使用時 | UP LOAD | 40 秒 | 52 秒 |
DOWN LOAD | 42 秒 | 82 秒 |
Mac mini (2018)とMacBoo Air M2モデル
Mac mini (2018) をServerとして、MacBook Air M2から計測
※3回計測、平均値を記載、コンマ秒は四捨五入
※USBイーサーネットアダプタを使用
2.5 GbE HUB使用時 | UP LOAD | 19 秒 |
DOWN LOAD | 17 秒 | |
ギガビット HUB使用時 | UP LOAD | 45 秒 |
DOWN LOAD | 43 秒 |
ネットワークを2.5GbEに変更することで、早くはなるのですが爆発的に!!って感じではありませんでした。当然、Serverのスペックを上げれば早くはなるのですが、手っ取り早く高速化するにはServerにもSSDを導入すべきなのかな?っと感じました。2.5GbE+SSD化でかなり早くなるかと思います(コストが...)。
以上、macLabでしたー !!